地球温暖化は、さまざまな地球環境問題のなかでもその影響のスケールがもっとも大きく、もっともさし迫った問題です。世界の科学者は、地球温暖化が2100年になって起こる未来の問題ではなく、すでに始まっている現実の問題であると警告しています。地球温暖化は、森林などの破壊、フロンガスなどによるオゾン層の破壊、人の健康の破壊、生驚系の破壊などのさまざまな環境問題だけでなく、食料問題などとも密接に関連しています。地球温暖化問題を解決できるかどうかに、人類の未来がかかっていると言っても過言ではありません。しかし、この地球温暖化問題はエネルギー滞の大半を占める化石燃料の利用と深くかかわっているため、その解決のためにはきわめて大きな努力が必要であり、何よりも私たち市民の行動なしにはその解決は不可能です。

 「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)」は、1988年の設立当初から地球温暖化問題を取り上げ、さまざまな提言を発表するとともに、地球温暖化防止京都会議(COP3)などの国際交渉に関わってきました。この環境教育の教材は、誰よりも、次代を担う子どもたちに、この地球温暖化問題について知ってもらいたいと考えてつくったものです。

 小学校高学年編も、高等学校編も、いずれも現役の教師の方々に作成段隋から参加してもらい、授業案をつくる段階で、小学校と高等学校で実際に授業をしてもらったものです。資料集は、必要と思われる108項目について、入手できた最新のデータを用いて解説をしたものです。また、「沈みゆく南の島々」などの14枚のカラーパネルも添付されています。

 この教材は、これから始まる「総合的な学習」で使っていただくために作成しました。この教材や資料を利用して、さまざまな授業を試みていただき、その内容や反応、そしてこの教材への御意見などをCASAまで御連絡いただければ幸いです。CASAでは、そうした意見や経験の交流の場をつくり、それを通じて、よりよい環境教育の教材をつくるための継続的な取組を続けていきたいと思っています。

2000年4月
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)


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