会員 平川良信
環境先進国デンマーク視察報告
その5

デンマークのゴミ処理、リサイクルセンター


  さて、デンマークではゴミの収集にお金をとっています。医療費や学校を無料にしている国で、ゴミは有料なのです。ゴミをできるだけ減量するための政策です。政策の目的が実に明確ですね。日本では、ゴミの収集には、国民一人当り、年間3万円のお金がかかっていますが、それの多くは税金で賄われています。

  デンマークでは、家庭から出る日常のゴミは、収集頻度(1週間、2週間、3週間、1ヶ月に1度)と、1回当たりのゴミの量により、契約をして取りに来てもらいます。当然、量が多いほど、頻度が高いほど、高くなります。普通の家庭の家庭ゴミの収集料は、1万円〜1万五千円程度だそうです。

  さらに、地域毎に、リサイクルセンターがあり、家庭ゴミ以外のごみ(粗大ゴミ等)はそこに市民が持ち込みます。ヘヤニングという町のリサイクルセンターを見学しましたが、市民の車が次々にやって来て、ゴミを分別して投入していました。分別内容は、地域により違いますが、そこでは次のような分別を行っていました。

・リサイクル品:ガラス(板ガラス、リユースしないガラスビン等、種類別)、電線、古タイヤ、プラスチック、紙(ダンボール、普通の紙、新聞など、種類別)、金属、電気製品、パソコン等に分けて投入
・可燃ゴミ
・埋立てゴミ:石膏ボード、グラスウール断熱材、瀬戸物等
・危険物:化学薬品、毒物、ボンド、塗料、オイル、バッテリー等



リサイクルセンター


市民が次々と車でゴミを捨てに来ていた


 リサイクルセンターへの持込料は、量に関係なく、一律に、固定資産税と一緒に、税金として徴収されています。これだと、市民が山にテレビなどを不法投棄するようなことは起こらないですね。ちゃんとして捨て場が用意されていますから、そんな危険を冒す必要はないわけです。

  ちなみに、デンマークのゴミは、下記の割合で処理されているそうです。
・リサイクル: 65% ・・・ リサイクルできるものは、極力リサイクル
・燃 料: 24% ・・・ 上記以外で燃やせるものは燃料とする
・埋 立 て: 11% ・・・ 残ったものは埋立て

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