エネルギー転換部門 |
(1)電力供給部門におけるシナリオ設定
シナリオ0:2010年における電源構成(発電施設能力構成比)が1995年と変わらないケース(現状推移シナリオ)
◎シナリオ2〜4では、以下のような処理をした。(シナリオ2〜4に共通)
必要発電量(電力需要量+自家消費分+送配電ロス)を廃棄物発電、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、原子力(段階的廃止)、LNG火力(新設)、LNG火力(既設)、石炭火力(既設)、石炭火力(新設)の順で充足させていくと想定。
火力発電については設備利用率70%を想定。
発電施設の新設については、「電気事業審議会中間報告」の2010年値から1995年実績値を差し引いた値を想定した。(現実には、新設火力の設備容量はこの値以上になると考えられる。)
地熱発電・水力発電については、2010年について「電気事業審議会中間報告」の値を用いた。
原子力発電については、段階的廃止想定(新規立地の中止、および、使用年数30年を超えた原発の廃炉化)を想定した。
シナリオ1:2010年における電源構成が通産省・電気事業審議会需給部会中間報告(1994年6月)の電力供給目標と一致するケース(通産省対策シナリオ)
シナリオ2:太陽光発電の住宅、業務ビル、公共施設、その他の建築物への導入量、および、風力発電の導入量について、環境庁による推定値(「地球温暖化対策技術評価検討会報告書」1992年5月)の4分の1水準を想定。
シナリオ3:太陽光発電の住宅への導入量について、環境庁による2010年導入可能量推定値の2分の1水準を想定。太陽光発電の住宅以外の建築物への導入量については、環境庁の導入可能量推定値を想定。風力発電についても、環境庁による導入可能量推定値を想定。
シナリオ4:太陽光発電の導入量、風力発電の導入量について、環境庁による2010年導入可能量推定値を想定。
(2)発電部門からの二酸化炭素排出量の算出方法
電気事業者による商業発電事業からの二酸化炭素排出量は、産業・運輸・民生家庭・民生業務の各部門における商業電力需要に依存して決定される。なぜなら、上記のいずれのシナリオを想定した場合でも、商業電力需要に応じて、発電量だけでなく、その二酸化炭素排出原単位も変化するからである。なお、後の第8章で示される各部門のシナリオの組合せに基づく商業電力需要に応じた商業電力の二酸化炭素排出原単位については、巻末別紙資料に収録されている。
廃棄物発電による二酸化炭素排出量については、廃棄物部門で計上するものとする。
発電事業者の自家消費率と送配電ロス率については、1990年値と同じと想定する。
発電事業者の発電効率については、1990年の火力発電の実績値を用いる(総合エネルギー統計による)。
発電事業者の既設火力については、リパワリングによる発電効率5%の向上を、新設火力については、既存火力からの8%の発電効率向上を見込む。
産業、民生業務門、運輸部門(鉄道)の自家発電については、電力部門で計上せず、それぞれの部門に計上する。自家発電部門の想定は、各部門のシナリオ想定量による。
その他エネルギー転換部門については、1990年の実績値と変化がないものと想定する。