「南太平洋環境と人間生態系の アクションコミッテ」

 


イフェレミ・ダウ
SPACHEE実行委員会委員
 

 

気候変化に対する発展途上とうしょ国のポジションについて。

 

イントロダクション

太平洋開発途上島嶼国の気候変化の問題に対する姿勢はあきらかである。私たちはその事態については適応していかなければならない。というのも、私たちのなかには、独立した国としての存在が危機に瀕しているものもいるからである。私たちは現在、気候の変化や海水の水位上昇を広範囲で経験しているという事実は疑うことができない。私たちは、地球的規模の変化や、温室効果からは、遠く離れていて、比較的力のない小さな存在である。

 

私たちの現在の駐日大使であるロビン・ヤロウはかつて太平洋の気候と農業会議(スーバ・フィジー)において“小さく、非工業化の開発途上国であるわたしたちには今日の脅威は、私たちの仕業ではない”と指摘した。では、なにがこれら小さな国々でできるのか。私はここにおいて主にサウスパシフィック大学のエリック・ワデル教授の考えを述べてきたいと思う。

 

何が私たちにできるか。

私たちにできる3つのこと

(1)モニター(監督):設備のよい研究所と、優れた科学者を通じて世界の気候変化をモニターする。

(2)防衛準備:専門家の協力を通じて、事が起こった時に対処できる防衛的メカニズムを準備する。

(3)解決するための行動:国際会議やフォーラムにおいて気候変化をもたらす人間を制御する基準を確保するために、問題を取り上げる。

 

 

(1)モニタリング

私たちは、海水の水位上昇ということから、水の供給、気温、降水パターン、さらに最近では激しいサイクロンなど嵐の発生という包括的な変化について理解する必要がある。この情報が、私たちの島が、住人が、さらに経済がいかにもろく傷つきやすいかということに気づかせてくれるだろう。

改良されたモニタリングが、太平洋だけではなく、世界全体にも重要なことである。サウスパシフィックフォーラムの国々は、200マイルの水域を考慮すると、地球の1/6の面積をしめる。私たちは、北半休の工業化された島々からも遠く離れている。だから、私たちが得ているデータのクオリティは理論的にほかの地域で集められたものよりも優れているといえる。というのも、注意をそらせるような声がずっと少ないからだ。私たち南太平洋の者が地球的な傾向を正確に提供することができる。

 

 

準備

私たちは、地球的な気候の変化に対しては十分な準備をする以外に選択の余地はない。太平洋の島々(トケラウ、マーシャル諸島、ツバル、ラインアイランド、キリバス)は、海抜5メートルよりも低い島々からなっている。フィジーの一部(ラウグループ)も同じような状態である。それらの国々は、嵐波に大変被害を受けやすく、海水の水位上昇によって真水を供給する事に非常に問題が生じる。海抜が比較的高い太平洋島嶼国でさえ、それらの経済の中心、人口の中心は海岸に近いエリアである。このような状態では、わたしたちは地球規模の気候変化にたいして、十分な準備が必要である。これを怠ることは、小さな島嶼国には自殺行為である。

 

攻撃

世界会議のなかで、私たちは中心的に指導的な役割を担わなければならない。なぜなら、私たちの国は地球の気候変化に対してとてももろく、被害を受けやすいからである。敗北主義者になる必要なない。私たちのほとんどは国の地域メンバーなどで、少なくとも原理的には、私たちの主張や投票は、ほかの国のそれと同じである。地域間の協力によって、私たちは効果的に地球の環境政策に影響を与えることができる。

 

攻撃するということは、私たちにとっては防衛するということである。私たちだけでなく、私たちが一部を占めているこの世界を守ることなのである。これは責任をもって行動する事である。さらに、科学者と、公務員、そして政治家のあいだに緊密な協力体制を必要とする。そして幸運なことに、私たちの小さな国々では、この種の協力は実現可能なのである。

 

結論

この短い提案のなかで、わたしは小さな島嶼国の立場と気候変化の関係について述べた。多くの気候変化は、環境軽視の活動の現れであり、それらは私たちから遠く離れた国で行われていることである。しかし、残念な事に私たちはその環境軽視の活動のとてつもなく大きなコストを負わねばならない。というのも、それによって、国として完全に消滅してしまうこともありえるのだ。私たちは、私たちの社会を再度調整して、気候変化に対処しなければならない。このことによってある者は栄え、ある者は経済不況の波にさらされるであろう。しかし、今は変化の時なのである。変化は痛みを伴う。そして生命の必要な要素なのである。