「東アジアの大気汚染抑制のための環境政策」


 

朴(小野)恵淑
三重大学人文学部助教授
市民フォーラム2001地球温暖化研究会

 

「背景・目的」

 東アジア地域では、近年の急速な経済発展によって広域の大気汚染問題が発生しており、さらに近い将来には地球温暖化をもたらす二酸化炭素排出の急増が予想されている。しかし、この地域には二国間の環境協力協定はあるものの、広域の大気問題に関して欧州のような国際環境保全機構は構築されていない。本研究は、欧州の長距離越境大気汚染条約の歴史及び現状を分析参照しながら、東アジア地域における酸性雨などの越境性大気汚染問題についての国際環境保全機構の構築のための諸要件を明らかにすることを目的とする。

 

「内容」

(1) 東アジア地域における酸性雨問題など広域大気汚染の現状分析及び モニタリング体制の検討

(a) 大気汚染物質の分布

(b) 長距離輸送のメカニズム

(c) 環境負荷

(2) 国際環境保全レジーム構築のための国際政治学的・科学社会学的分析

(a) EUの長距離越境大気汚染条約 (LRTAP) の歴史・現状分析

(b) 長距離越境大気汚染条約(広域大気汚染)・国連気候変動枠組 み条約(地球温暖化)等の地球環境問題の国際政治学的・科学社会学的な比較分析

(c) 東アジア地域における国際環境保全機構構築の可能性の要因分析