経済協力開発機構(OECD)の環境・開発相会議が12月2、3の両日、パリで開かれたが、同会議へ、世界100カ国326NGOが加入する国際環境連絡センター(ELCI)、ヨーロッパ最大の環境団体の連合組織であるヨーロッパ環境ビューロー(EEB)、外国人を含む日本全国56のNGO及び研究者、法律家、専門家ら350人が加入する地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)の3NGOは12月2日、連名で意見書を提出した。
閣僚の皆様へ
UNCEDの過程に参加している国際的NGOの代表が、現在準備が進められている、1991年12月2日〜3日の閣僚会議について意見を交換するために、OECD当局者と最近会合を開きました。
私たちは、リオデジャネイロ会議に鑑みて、貴会議の重要性を協調したいと思います。先進諸国が主として先進諸国の活動(産業、貿易、財政)に起因する世界的な環境問題の責任の大部分を負う確約と、確固たる意思表示がなければ、環境と開発に関するリオデジャネイロ会議は発展途上国によって新しい脅威とみなされ、そのようなものとして取り扱われるでしょうし、地球サミットは失敗に帰するでしょう。以上述べた確約と意思表示については、貴OECD会議において討議されるべきであり、このことによって1992年3月3日〜4月2日、ニューヨークで開催されるUNCED第4回準備委員会の大きな前進に寄与すべきであります。
私たちは、ここで幾つかの提案を出させていただきます。
1.気候変動条約
私たちは、この問題が貴会議の議題において、重視されていないことを、極めて残念に思います。このため、OECD会議において、この分野で何らかの前進が見られると共にOECD各国の確約の誠意を示す機会をも失するのではないか、という私たちの不安が裏付けられることになるでしょう。2.各国の環境上の実績の再検討
最近のいくつかの、OECD閣僚宣言において、加盟国は人権と、民主主義の重要性を強調しました。私たちは、貴会議に対して、各国の環境問題の実績に関するナショナル・レポート(国別報告書)では、国家レベルの情報公開と環境影響研究の項で、現行の対策について、再検討されることを要望します。3.環境指標
私たちは、OECD諸国において複式に評価されるシステム(GNPと環境、その他の生活の質が要因)が1995年度までに実施されることを強力に支持します。4.多国籍企業に対するガイドライン私たちは、貴会議に対して、企業団体、労働組合、NGO(非政府組織)等と協力して「永続可能な開発」を最も適切に反映する環境及び、生活の質の指摘のリストを作成する特別会議の1993年召集を勧告するように要請します。
これらの環境指標に基づき、各国の経済調査に際して加盟国に勧告すべきです。
OECDは、1991年7月5日多国籍企業に対するガイドラインを改定しました。その第11条によると、加盟国は「環境保護」条項を含むガイドラインに関連して生ずる諸問題についての、適切な再検討及び協議の手続きを確立することに合意しています。5.自動車交通に関する全OECD基準私たちは、国際投資と多国籍企業に関する委員会に、ガイドラインを尊重したかどうか関連証拠を委員会への提出を求める権利を、NGOに与えることはぜひ必要であると考えます。
私たちは、ガイドラインの環境条項に関連する問題へのNGO参加の概念が12月2日〜3日の貴会議において支持されることを要求します。
世界的な基準の採択へ向けて行動する必要性に鑑み、私たちは、ある場合には最初に取るべき措置はOECDとしての基準を採択することが先決であると考えます。6.対話社会の基幹部門が、CO2排出などの地球規模の環境問題と地域的汚染を発生させ、また自動車産業の大半がOECDの多国籍企業であるという事実を考慮して、私たち現存の最も厳格なOECD環境基準を採択し、この中では排出ガス、馬力と速度制限、及び再生可能性を基本とされることを強く支援します。
貴会議においてはOECDに対しては、1995年以前に実施すべきこの問題に関する決定をOECDが採択する根拠を、緊急に考え出さざるを得ない立場に置くべきであります。
NGOは、OECDとNGO共同体の間に存在している対話を歓迎しており、BIACやTUAIに関して環境問題への同等のアクセスをNGOに提供するために対話が強化されるものと予想しております。私たちは、OECD当局に対してフランス政府の招待によって12月17〜20日パリにて開催される「世界NGO会議」に出席していただくこと、及び協議の結果を報告していただくことを要請致しました。OECD各国における来るべきNGOキャンペーンは貴会議における進展状況に左右されることになりましょう。